ウォータージェット工法
ウォータージェットとは、超高圧水ポンプで加圧した水を0.1mm〜1mmほどの大きさのノズルから吐出した超高速水流で、その速度はマッハ3にも達します。
水圧だけで金属やコンクリートなどの硬い素材を切断することができるほど強力な威力を持つウォータージェットは、対象物に与えるひずみが少なく、マイクロクラックと呼ばれる微細な亀裂がほとんど発生しません。また、振動を低く抑えられるのも大きな特徴。水の力を利用した工法ですので、火気がないという点で安全性が高く、環境に配慮した優れた工法として様々な産業分野から注目される最新技術です。
工法のメリット
低振動・低騒音
ウォータージェットは、非接触のため低振動・低騒音。従来の工法に比べ、騒音を大幅に低減することが可能なため、周辺環境にも、作業員の健康にもやさしい工法です。
柔軟性
対象物に合わせて噴射圧力、水量、温度を調整することで、選択的な処理が可能に。軟質材、硬質材、複合材、金属、非金属、通電材、非通電材などのあらゆる材質に対応しています。
作業の効率化
圧縮した水を局所的に噴射することで、最小のエネルギーで効率的処理が可能。特殊なノズルを使用することで手の届きにくい狭小部での処理も容易に。加えて粉塵の発生がないため、養生作業も大幅に簡略化できます。
環境にやさしい
主に水のみを使用するため、有害物質や粉塵が発生しにくく作業をする人にも環境にも優しい工法。排水の処理が容易で環境に対してやさしい。
切る
⽔流の圧⼒をさらに⾼めることで、物体の切断加⼯も可能になります。⼯具を使わないため⽕花や粉塵が発⽣せず、熱による素材への影響もありません。また、⽔流に研磨剤を混⼊することで、鋼やセラミックなどの硬い材質も切断できます。
対象の工事
ドライアイス工法
超低温(-78℃)のドライアイスペレットを使用し、それをブラストガンにて汚れとなる付着物質へ高速で噴射させることで洗浄表面の汚れを除去していく工法です。
ドライアイスは付着物質への衝突時に固体から気体へ瞬時に気化します。気化した時に体積が750倍に膨張変化し、その体積変化により付着物質が表面から剥離され、母材を傷つけることなく洗浄ができます。
ドライアイスブラストでは二次廃棄物の発生がないので、処理廃棄物が大きく削減されると共に、有害な溶剤・薬品を使用しないため、作業者の健康を損なわず安全です。
工法のメリット
母体に傷をつけない
ドライアイスは金属表面に傷をつけることは無く付着物のみを除去するため、機械や装置など残したい部分の分解がほとんど不要です。
機器類も洗浄可
現場清掃時ドライアイスしか使わない工法で、二酸化炭素のみ発生するので水での洗浄ができない部位にも対応可能です。
様々な場所に対応可
手の入らない狭い場所や、電気・機械室等の複雑な構造物の形状に合わせた処理が可能です。
環境負荷の軽減
ドライアイスは瞬時に気化し付着物のみが残るため、処理廃棄物が大きく削減できます。
他工法との比較
工法 | 二次廃棄物 | 電気伝導性 | 研磨材 | 毒性 | 有効性 |
---|---|---|---|---|---|
ドライアイス | なし | なし | なし | なし | 極めて優秀 |
ウォーターブラスト | あり | あり | なし | なし | 限定的 |
サンドブラスト | あり | なし | あり | なし | 限定的 |
ソーダブラスト | あり | なし | あり | なし | 限定的 |
溶剤/化学薬品 | あり | 非適用 | なし | あり | 限定的 |
動力ツール | なし | 非適用 | なし | 非適用 | 限定的 |
手動ツール | なし | 非適用 | なし | 非適用 | 限定的 |
対象の工事
調査分析
建築物の解体時には工事着手前から種々の手続きをしなければなりません。
その中の一つに石綿(アスベスト)含有建材についての取り決めがあります。
吹付け材を含め、建築建材をはじめ設備機器・外壁塗装材などの広範囲に使用されている反面、どこにアスベスト含有建材が使用されているか把握されていないことが圧倒的に多いのが現状です。
残存しているアスベストは工事の過程で飛散する可能性があり、事前調査を間違えれば即飛散事故となるため、最初に入念な調査・分析が必要です。
他工法との比較
建築物又は工作物の解体・改修工事を行うときは、工事の規模に関わらず有資格者によるアスベストの事前調査が義務付けられています。工事前に行う事前調査の書面調査と目視調査で確認できない場合は、建材を採取し、分析機関にアスベストの分析を依頼することがあります。
01書面調査
竣工図書・設計図面・調査資料等から、石綿の使用が疑われる箇所をピックアップします。
02現地目視調査
1次スクリーニングでまとめた情報を元に、現地で全ての建材を目視にて調査していきます。
031次判定
目視調査結果の判定をします。判断がつかない建材は、分析を行うか『みなし判定 』 により石綿含有建材とみなして工事を進めていきます。
04建材分析
目視調査で明らかにならなかった建材の分析調査を行います。
05調査報告書の作成
工事対象箇所のどの部位にどのような石綿含有建材があったのか、また石綿含有建材でない場合、その判断根拠と建材名を全てまとめた報告書を作成します。
06発注者への説明
今回の工事予定箇所にどのようなリスクのある建材が発見されたのか、また、工事を行う際の対応方法等をご説明いたします。
分別解体
解体工事と聞いて一般の方がまず想像されるのは重機を使い一気に壊していく「ミンチ工法」ではないでしょうか。
工期が短く人件費などを抑えることができる反面、様々なゴミが含まれるため分別が難しく、そのまま埋め立る処理をしていたため不法投棄も問題となっていました。
現在ではミンチ工法は禁止され、万が一従来のようなミンチ工法を行った場合は厳しい罰則も規定されています。
一方、現在主流の「分別解体」は建材を品目ごとに分別しながら計画的に解体していく手法で、解体工事で出たコンクリート・アスファルト・木くずなど廃棄物を分別することで、解体工事で出る廃棄物のほとんどはリサイクルが可能になりました。
「建設リサイクル法」に基づく解体工事
解体工事をする際には、工事に取り掛かる7日前までに市町村へ様々な書類を届け出る義務があります。
代行もしておりますので、お気軽にご相談ください。
現場清掃
解体工事の最終段階でもある現場清掃は重要な作業です。
基礎を撤去やブロック塀等の構造物や樹木を掘り返すなどの作業で土を掘り起こす、土をいじる作業が多く存在します。
掘り起こした土の質は軟らかく、粘着性が高く道路に散らばることがあります。
道路・現場及び現場周辺の環境を掃除することで、土だけでなく解体により発生した建材の残骸や破片を除去し、安全かつ利用可能な状態にします。
工事現場だけでなく、近隣の環境も美しい状態になってはじめて「工事完了」と言えます。
現場清掃の重要性
安全性確保
解体工事後の現場に残る建材の残骸や破片、これらの物質は人や作業員に対して危険をもたらす可能性があります。転倒や怪我のリスクを最小限に抑え、安全な作業環境を確保します。
視覚的な美観と好印象
解体工事が完了した後きちんと清掃されていることは、周囲の地域や関係者に対して良い印象を与えます。
再利用と資源の最大化
現場清掃においては、解体された建材や廃棄物を適切に仕分けし、再利用やリサイクルが可能なものを回収します。これによって、資源の最大化や廃棄物の削減が図られます。
産業廃棄物の適切な処理
産業廃棄物とは事業活動により排出された廃棄物のうち、法令で定める20種類の廃棄物のことを言い、焼却する際に発生する温室効果ガスを原因とした地球温暖化、不法投棄により引き起こされる土壌汚染や水質汚染、最終処分場の不足など、様々な問題を抱えています。
産業廃棄物の適正な処理が行われない場合、環境汚染や環境破壊、大規模災害につながる恐れがあります。
弊社では通常の産業廃棄物より厳しい管理や適正な処理が求められる特別管理産業廃棄物責任者の資格を持ち、特別管理産業廃棄物の管理全般にわたる業務を廃棄物処理法に基づいて適正に行っています。